【この記事のポイント】
・件名は15文字以内。
・メルマガの文字数は70文字前後。
・画像は1枚にする。
・伝える内容は1つに絞る。
・ファーストビューにCTAボタンを配置。
・配信頻度の多さは気にしなくて良い。
・同じ内容を送っても問題ない。
・顧客が興味のある内容のメルマガを送る。
今回はシナブルで外部インターン生として働いている村井が弊社社員の酒井にメルマガやカゴ落ちメールに関するインタビューを行いました。
村井:本日はお時間いただきありがとうございます。早速ですがインタビューを始めていきたいと思います。まず、効果的なかご落ちメールの配信の時間帯や適切な配信頻度はありますでしょうか。
酒井:顧客が商品をカゴにいれた瞬間が一番商品に対する温度感が高いので、まずかごに入れてから24時間以内に1回送ります。そしてその次の日にもう一度送り、またその次の日にもう一度送ることはしたほうがいいと思います。
村井:なるほど。では「3回は送ったほうがいい」ということなのでしょうか?
酒井:具体的に何回、とは言い切れませんが顧客の商品に対する温度感が高いうちは頻度を高めて送ってもいいと思います。
村井:EC担当者の方は配信頻度に関して悩まれる方も多いと思いますが、その点についてはどうお考えですか
酒井:配信頻度に多さに抵抗を持たなくて良いと思います。ある検証を行ったのですが、同じ内容のメールを2日連続して配信した結果、開封率は変わりませんでした。またユニークな開封者で調べた結果、両方とも開封した人が1500人。1回目と2回目のメールのみ開封した人がそれぞれ600人いることがわかりました。
村井:つまり、2回目のメールを送っていなければ、2回目のメールしか開封しなかった600人を逃してしまう可能性があったんですね。
酒井:その通りです。つまり、同じメールを送っても開封率はあまり変わらないのなら、配信頻度に悩む必要はあまりないと思います。
村井:ありがとうございます。ではカゴ落ちメールではなく、カゴ落ちメール以外のメルマガはどれくらいの頻度で送ると良いのでしょうか
酒井:まず前提として、同じ内容のメルマガを送ることにネガティブな印象をもつことは間違いであると私は思います。先ほどの検証にもある通り、同じ内容のメールを送っても、新たに見てくれる人がいる可能性があるからです。
・配信頻度の多さを気にする必要はない。
・同じ内容のメルマガを送っても問題ない。
村井:なるほど。ですが毎回同じメールを送るのもさすがに気が引けるかと思います。同じメールを送る場合、どのようなスパンで送れば良いのでしょうか。
酒井:例えば月〜金まで5日分のコンテンツを用意しておき、それをローテーションして送っていくことをしても全然問題ないと私は思います。頻度に関してですが、私がEC事業者側として働いていた際は、週に3回送っていました。参考にしていただければと思います。
村井:なるほど、ありがとうございます。次の質問に移ります。開封率の高いメルマガ、最後まで読まれるメルマガは実際どれくらいの文字量やどんな特徴がありますか?
酒井:文字量ですが70文字前後が妥当です。なぜなら一般的なメルマガの開封後の離脱率は約7秒で、人間が1秒間に10文字前後の文字しか読めないことを考慮すると、自然と70文字前後が限界だと考えられるからです。
村井:なるほど。ではメルマガに添付する画像枚数は何枚くらいが良いのでしょうか。
酒井:そのメールで伝えたい重要なアイキャッチ画像1枚で十分だと思います。
村井:では開封率の高いメルマガに共通するキャッチコピーやタイトルなどはありますでしょうか?
酒井:シンプルに件名を15文字くらいで書くのが一番いいと思います。今日は何を伝えたいのか、それさえわかれば十分だと思います。逆にひねったタイトルだと開封率が良くない、という調査結果もあるので、シンプルに書くことをおすすめします。
・件名は15文字以内。
・文字数は70文字前後
・画像は1枚
村井:ありがとうございます。次の質問に移ります。近年「メルマガオワコン説」という考えもちらほら見受けられますが、これについてはどうお考えですか。
酒井:私は今メールはユーザーと丁度いい距離感になったのではないかと思います。なぜなら、プライベートのやりとりはLINEやSNSにとって変わり、以前に比べてユーザーはメールをプライベートで開くことがなくなってしまったからです。
村井:しかしメールを開くことがなくなるとメルマガも読んでもらえないのではないでしょうか。
酒井:全くメルマガが読まれなくなる、ということはありません。なぜならオンラインショップで買い物をした際、到着日などが書かれた発送のメールを確認するため、メールを開くタイミングがあるからです。そのタイミングでメルマガも読まれるようなあり方に代わってきていると思います。加えて、プライベートでメールを使わなくなったことで、たくさんメルマガを送ってもプライベートを侵害されている感覚をユーザーに与えなくなったことも大きなメリットだと思います。
村井:ありがとうございます。次の質問に移ります。「メルマガのネタがなくて困っている」というEC担当者の方もいらっしゃると思うのですが、こういった悩みを解決する方法はありますでしょうか。
酒井:情報を小出しにするやり方は効果的だと思います。一回のメルマガにたくさんの特集をのせるのではなく、各特集ごとにメルマガを作ればメールのネタは増えると思います。
村井:そもそもメルマガは7秒程度しか読まれないので、その分量に収まる程度に分割して小出しにする、というイメージですね。
酒井:その通りです。
村井:ありがとうございます。次の質問に移ります。メルマガの解約理由の上位に「メルマガの内容が面白くない」という理由がランクインしていました。面白いネタを定期的に発信するために気を付けるべきことなどはありますでしょうか。
酒井:切り口を変えることは有効だと思います。自分たちが取り扱っている商品を何か別の視点から見てグループ分けしたものの特集をすることは一つの策だと思います。
村井:例えばどのような例がありますでしょうか。
酒井:例えば、ワインであれば産地ごとの特集を組んでもいいですし、ファッションであれば各アイテムごとの特集、黄色い服だけ集めたような色ベースでの特集なんかも面白いと思います。視点や切り口を変えれば、面白いネタはいくつも出てくると思います。
・情報は小出しに。
・視点や切り口を変えて商品をグループ分けする。
村井:なるほど。次の質問なのですが、LINEやSMS、メールといった様々な媒体がある中で「どの媒体にはどのような内容を載せるとよい」といった法則はありますか。
酒井:法則、というよりかはそのメディアにいるユーザーがどれくらいの温度感をもったユーザーであるのか、ということを把握することが重要だと思います。
村井:もうすこし具体的に説明をお願いしてもよろしいでしょうか。
酒井:例えば企業のLINEに自ら登録するユーザーは、その企業に対して高い温度感を持っていることが考えられます。そういったユーザーに対しては、ニッチな情報であったとしてもたくさん情報発信することが大事だと思います。
村井:要は、各媒体に登録しているユーザーの属性や特徴を抑えたうえで、それに合った情報発信をしていく必要がある、ということですね。
酒井:そうですね。多くの企業は「このメールの内容はどのユーザーに刺さるのか」ということを考えてしまいがちです。しかし私は「このユーザーにはどのようなメールの内容が刺さるのか」という人を起点としたメールづくりをしてほしいと思っています。
村井:ありがとうございます。次の質問に移ります。明日からできるメルマガの開封率を上げるための工夫などはありますでしょうか。
酒井:リスト(配信対象)の精査が一番重要です。例えば開封見込みのない人(半年間未開封など)を除外するだけでも開封率は上がります。単に配信の母数が変わるので開封率が上がるのは当然と思うかもしれませんが、母数が減るということは配信数が減るので配信速度が上がりますし、スパム判定リスクも下がるというメリットもあります。加えて、リストの精査を行ったうえで、件名のABテストや配信時間のABテストも効果的だと思います。
・顧客が興味のある内容のメルマガを送る。
村井:なるほど、ありがとうございます。次の質問に移ります。メルマガにおいて「キャンペーンやクーポンだけを配信する」だけではあまり効果がないのでしょうか。
酒井:意味がないということはないです。それを必要としている人に正しく伝えられれば無駄なコンテンツなど一つもありません。繰り返しになりますが、コンテンツありきで配信するのではなく、リスト(配信対象)ありきでコンテンツを考えるのが正しいメールマーケティングです。
村井:先ほども「ユーザーを起点にしてメルマガの内容を考えることが重要」と仰っていましたが、それはなぜなのでしょうか?
酒井:なぜならリストには、状況、環境の異なる人々が混在しているからです。例えば、いつもメルマガを開封してくれている人とほとんど開封しない人に同じ内容のメールを配信しても等しく響くでしょうか?つまり、各ユーザーに刺さるメールの内容は人それぞれだからこそ、ユーザーを起点にしたメルマガの内容づくりが重要になってくるのです。
村井:最後の質問になります。一般的にメルマガを見て商品を購入する人はどれくらいいるのでしょうか。
酒井:一般的にメルマガからの転換率(CVR)は1%以上と言われています。
1%を下回った場合は、リストやコンテンツの内容を見直したほうがいいでしょう。
ちなみにその他指標の参考数値は以下です。
不達率:10%以内
開封率:15%以上
クリック率:1%以上
コンバージョン率:1%以上
Unsubscribe Rate(購読解除率):0.25%未満 (400人に1人)
※各種レートの母数はメルマガの配信数。CVRのみ母数はサイトの訪問数。
配信結果を分析する際の参考にしてください。
村井:これでインタビューを終了させていただきます。本日はお時間いただきありがとうございました。